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Feature

思考を写し出す、真っ白な舞台。
「ドローイングペーパー」という名の自由。

プロッターのラインアップの中に、静かに、しかし確かな存在感を放つリフィルがある。
その名は「ドローイングペーパー」。一般的には「画用紙」と呼ばれるこの紙は、手帳という枠組みを超え、今、感性を仕事にするクリエイターたちの間で密かな熱狂を呼んでいる。

先日、一人の写真家がPLOTTER TOKYOを訪れた。
彼が手に取ったのは、プロッターの中で最も広い面積を持つA5サイズのレザーバインダー。そして、その相棒として選ばれたのが、このドローイングペーパーだった。

デジタルカメラで一瞬の光を切り取り、精緻なビジュアルを構築する写真家が、なぜあえてこの「厚みのある白い紙」をヘビーユースするのか。そこには、効率的なスケジュール管理や単なるメモ書きとは一線を画す、アナログならではの「思考の定着」というプロセスがあった。

 

ドローイングペーパーの魅力は、その圧倒的な「受け止める力」にある。
万年筆から溢れ出すインク、力強いサインペンの筆致、時には旅先で見つけたショップカードや、心に留まった風景の断片。それらをすべて包み込み、一冊のバインダーの中に「自分の世界」として独立させてくれる。
薄いノート用紙では心許ない、重厚なアイデアの断片も、この厚みのある紙の上では不思議と確かな質感を持ち始めるのだ。

さらに、このリフィルは意外なほどの機能性を隠し持っている。
特筆すべきは、家庭用のインクジェットプリンタを通せるという点だ。画用紙ならではの豊かな紙厚は、プリンタのインクを深く、そして情緒的に受け止める。
出力された画像は、一般的なコピー用紙とは一線を画す、深みのある発色と立体感を帯びる。

自ら撮影した写真や、インスピレーション源となるビジュアルを直接プリントし、その余白に思考を書き込む。それはもはやリフィルの域を超え、自分だけの「歩くポートフォリオ」を編み上げていく感覚に近い。

罫線もドットもない、ただ潔いまでの純白。その余白は、使う者に「正解」を求めない。
文字を綴る日があってもいいし、ラフなスケッチを描き殴る日があってもいい。あるいは、プリントした写真を貼り付けて、あるいは直接印刷して、自分だけのヴィジュアルノートに変えてもいい。

手帳を「予定を埋めるもの」と考えていた人にとって、この自由度は戸惑いを生むかもしれない。しかし、一度この白い舞台に何かを記せば、それが自分自身の内面を写し出す鏡であることに気づくはずだ。

ある者は、プロジェクトの構想を練るためのスクラップブックとして。またある者は、言葉にできないイメージを可視化するためのキャンバスとして。写真家が大きなA5サイズを選んだように、広大な白い紙は、私たちの思考の制約を解き放ってくれる。

道具が変われば、そこから生まれる表現も変わる。
「ドローイングペーパー」という名の自由をバインダーに挟み、歩き出す。
そこには、自分でもまだ気づいていない新しい視点が、真っ白な状態であなたを待っている。