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Feature

DP PAPERものがたり
Vol.5

たった一枚の紙、
わたしたちはこれをあえて“道具”と呼ぶ——

いわれも知らぬあまねく先人たちの
知恵とノウハウから培われてきた技術の結晶
“紙PAPER”。

デジタルと仮想空間に
まみれつつある世の中にあっても
生き残る一枚のプロダクト。

薄く、はかないたった一枚の紙も
ひとたび重なり、積み上げられれば

わたしたちの眼前に
その存在感をしっかりと示す。

それはもはや私たち人間と
切っても切れぬ道具であり

これからも残り続ける——

 

ひとたびレシピが決まったら——
パルプを叩解し、抄紙し、乾燥し、巻上げて、と一連の工程はあっという間。そう、洋紙の量産光景は実にスピーディーで巨大。なんといっても、みなさんが消費する紙の半年分とかを一気に抄紙してしまうわけだから。

製造途中でストップすることができない抄紙工程なだけに、その手前の段取りと品質チェックへの念の入用は計り知れない。今でこそ安定した品質を誇る『DP PAPER』も実は追加抄造のたびにぎりぎりの品質チェックは欠かせないのだ。


そして抄紙ロットごとの筆記テストももちろん今でも大切な時間。それは確かに工業製品であっても、納得いく“一枚”を作り上げるために、工程の端々に必要な職人の眼と手の感覚がしっかり宿り、実はアナログなものづくりの世界が和紙作りと同じように脈々と受け継がれていた。


自然の恵み、そしてこれだけ多くの人と技に支えられ、ようやく形となったリフィル一枚一枚を眺める度にじんわりと、感慨深い気持ちになるのは当然だ。


あのパルプがこの一枚の大きな紙に変わった様は誇らしい。積み上げられた紙の束の厚さだけ、これまでの工程と携わった職人たちに想いを馳せる。そして、光に反射した、ほんのりクリームがかった紙の淡い色合いは目に優しく、筆欲を掻き立てる。

たくさんのストーリーをぎゅっと凝縮したリング手帳のためのオリジナルリフィルペーパー『DP PAPER』
書く人の創造の卵がこの一枚の紙上で舞い踊らんことを願ってやまない——