Feature
DP PAPERものがたり
Vol.3
たった一枚の紙、
わたしたちはこれをあえて“道具”と呼ぶ——
いわれも知らぬあまねく先人たちの
知恵とノウハウから培われてきた技術の結晶
“紙PAPER”。
デジタルと仮想空間に
まみれつつある世の中にあっても
生き残る一枚のプロダクト。
薄く、はかないたった一枚の紙も
ひとたび重なり、積み上げられれば
わたしたちの眼前に
その存在感をしっかりと示す。
それはもはや私たち人間と
切っても切れぬ道具であり
これからも残り続ける——
寒い冬の季節。数年ぶりの豪雪の中、またとない晴れ間に恵まれたある日のこと。あらためて、『DP PAPER』開発から数年を経た今、その生まれ故郷に足を踏み入れる。
本革もそうだが紙も絶対的に水という自然の恵みが必要で、しかもそれは綺麗に越したことはない。製品時には乾き切った『DP PAPER』にその製造工程でたっぷり含まれる水の源流はアルプスの山々。遥か遠くは列島を横断する千曲川にもつながる信濃川がこの紙の大切な水資源となる。長い長い旅を経て流れ着いた広大な川面を眺めているとそれはまるで紙が静かに波打っているかのようにも見えてくるから不思議だ。そう、美しい水を運んできてくれるこの日本一の河川こそが『DP PAPER』の故郷。
製紙工場の横をどっしりと雄大に漂う
The Shinano River
その豊富な水量と水質は何にも代えがたく、
私たちが本物のリフィルペーパーを創るにあたって少しも不足はなかった——
つづく